相続相談室便り2024年7月号-税理士法人杉浦経営会計事務所

紙の預金通帳がなくなる？

通帳レスのメリットとデメリット

三菱ＵＦＪ銀行が、２０２４年９月１１日よりキャッシュカードを発行している口座を対象に、一定期間以上記帳されていない紙通帳の利用が自動的に停止することを発表しました。他の金融機関でも、紙の預金通帳発行に手数料を取るケースが増えており、今後紙の預金通帳のデジタル化＝「通帳レス」が進んでいくと思われます。

①銀行やＡＴＭへ行く手間が減る

　パソコンやスマホを通して、いつでもどこでも残高確認や振込等が可能と　なります。
②手数料等の割引がある
　ネットバンクを通すと、振込手数料等の各種料金が安くなることがありま　す。また、ネットバンクのみの特典を受けられたりもします。

①閲覧可能期間が制限される
　紙の通帳であれば、保管さえしておけば、どれだけ古い過去の動きでも把　握することができます。しかし、ネットバンクの場合、銀行によって異な　りますが閲覧可能期間を制限していることがあります。相続税の申告業務　において、過去の預金の動きの把握は必須です。閲覧可能期間に問題がな　いかの確認をしておきましょう。
②相続の際、預金が発見されない可能性がある
　紙の通帳がないと、第三者から銀行口座の存在に気付いてもらえない可能　性があります。仮に気付いても、ネットバンクや銀行アプリはセキュリテ　ィにより、簡単に他人がログインできないようにな　っており、手続きに　時間がかかることもあります。

通帳を破棄していても、銀行で過去の取引履歴を取得することは可能です。ただし、手数料が高額になる場合もあり、原則10年間の履歴しか取得できませんのでご注意ください。